「敬老の日」にみなさんは、子どもたちと何かしますか?
プレゼントを作る…
絵を描く…
ハガキや手紙を送る…
お招き会,敬老会をひらく…
これらの活動をするにあたって日々の保育の中でおじいちゃんおばあちゃんへの気持ちをもてたらいいですよね。
こういう場合に絵本はもってこいです!
今回は「敬老の日」におすすめの絵本をご紹介しますね!
敬老の日に読みたい絵本。いつ読む?ねらいは?
敬老の日におすすめの絵本と書いていますが、読むのは敬老の日の当日だけではもったいないです。
当日までに何回も繰り返し読むことで、子どもたちはおじいちゃんおばあちゃんへの気持ちを徐々に膨らませていくことでしょう。
また、敬老の日が終わってからの読み聞かせもその余韻を楽しむことができます。
敬老の日に向けた絵本を読むタイミングは?
行事に向けた絵本は「どのタイミングで読むか?」を考えておくことが大切です。
行事よりもかなり前に読む…?
行事の前日に読む…?
行事当日に読む…?
行事が終わってから読む…?
どのタイミングでも◎です。
もちろん、保育者がしっかりと意図的なねらいをもっておくことが必要です。
たとえば
●一番初めの導入として、敬老の日が近いことを知らせるために…
●プレゼント作りやお手紙を書く活動にむけて、祖父母への思いをもたせるために…
●お招き会で祖父母と一緒に絵本を見ることで、祖父母と思いを共有したり敬う気持ちをもったりすることができるように…
などの思いを保育者がもつときが絵本を読むタイミングになるかなと思います。
そして、ねらいへとつながっていきます。
敬老の日に向けた絵本の読み聞かせ「ねらいと内容」
一例を書いてみました。
参考にしてみてください°˖✧
<ねらいと内容>
○ 絵本を楽しみ、祖父母や高齢者に親しみや尊敬の思いを持つ。
・「敬老の日」に関する絵本に興味を持ち、見たり聞いたりする。
・祖父母に関する絵本見て、「敬老の日」に会えることを楽しみにする。
・祖父母に思いを馳せ、「敬老の日」向けて何をしたいかを考えたり、話し合ったりする。
自分のおじいちゃんおばあちゃんの場合は「祖父母」で、地域のお年寄りとの交流の場合は「地域の高齢者」という表記が適切でしょう。
下に行くほど、内容が高度になっています。
「敬老の日」におすすめの絵本
それでは「敬老の日」におすすめの絵本を紹介します。
クラスの「実態」に合ったものや先生方の考えた「ねらいと内容に合ったも」のを踏まえて取捨選択してみてくださいね。
1歳児から楽しめる絵本
3歳未満児が楽しめる絵本です。
もちろん3歳以上児が読んでもいいですよ。
対象年齢にこだわるよりもねらいや子どもの実態に沿った絵本を選ぶようにしましょう。
『はやく あいたいな』作/五味太郎(絵本館)
まずは五味太郎さんの『はやくあいたいな』という絵本です。
女の子とおばあちゃんが登場する作品です。
お互いに会いたくて会いたくて・・・
でも、あれれ?
どうしてもすれ違っちゃう。
「早く会いたいな」という気持ちが自然と持てる絵本です。
『おひさま ぽかぽか』作・絵/笠野 裕一(福音館書店)
『おひさまぽかぽか』は単純で分かりやすい絵と言葉でかかれた絵本です。
おばあちゃんと動物たちが気持ちの良いお布団でおひるねの時間を楽しみます。
実際に、お昼寝前の絵本の時間に読むのもいいですね。
参観があるなら、おじいちゃんおばあちゃんとのふれ合い遊びの前に読むのも、気持ちが落ち着いていいでしょう。
『ぼくのおじいちゃんのかお』作/天野祐吉 写真/沼田早苗(福音館書店)
この『ぼくのおじいちゃんのかお』という絵本は本当のおじいさんの顔の写真でお話が進んでいきます。
笑った顔、泣いた顔、いろいろな表情のおじいさんが出てきます。
「おじいちゃんのお顔っておもしろい!」ときっと子どもたちはくぎ付けになるはずです。
「お友達のお顔を見てごらん」と互いに見合って、「おじいちゃんのお顔とどこが違う?」なんて投げ掛けても素敵な答えが返ってきますよ。
3歳未満の子どもたちも写真のインパクトに惹きつけられますよ。
大きい年齢の子どもは、絵を描く前の導入でも使えますね。
※残念ながら『ぼくのおじいちゃんのかお』は品切れの状態が続いているようです。
3歳以上児が楽しめる絵本
よりストーリー性がある絵本です。
お話の世界を存分と楽しみましょう。
下へ行くほど対象の年齢が高くなります。
『おばあちゃん すごい!』作/中川 ひろたか 絵/村上 康成(童心社)
子どもたちそっちのけで、遊びを楽しみだしちゃうおばあちゃん。
おばあちゃんってそういうところがあるからおもしろい!
昔ながらの遊びがたくさんでてくるので、昔遊びを教えてもらう前に読むのもいいですね。
この『おばあちゃん すごい!』という絵本から尊敬の思いがもてるようにつなげていってもいいでしょう。
『うさこちゃんのおじいちゃんとおばあちゃん』作・絵/ディック・ブルーナ 訳/まつおか きょうこ(福音館書店)
うさこちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんがうさこちゃんのために手作りでプレゼントを作ってくれるお話です。
手作りの物には気持ちがたくさん込められていることが伝わってきます。
ここから「プレゼントを作ろう」という活動につなげていってもいいですね。
『うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの』作・絵/ディック・ブルーナ 訳/まつおか きょうこ(福音館書店)
うさこちゃんが大好きなおじいちゃんのためにおくりものをしますよ。
細くて長いもの、な~んだ?
上の絵本とセットで読み聞かせてもいいですね。
『こんとあき』作/林 明子(福音館書店)
言わずと知れた名作『こんとあき』
小さな女の子「あき」とぬいぐるみの「こん」がおばあちゃんのところまで会いに行くお話。
怪我をしてしまった「こん」を心配する気持ちと、2人だけでおばあちゃんの家まで行く不安な気持ちがこちらまで伝わってきます。
最後には、優しいおばあちゃんのところに着いて「こん」を無事治してもらうことができます。
この「安心感」が味わえる絵本を子どもたちにはたくさん読んで欲しいものです。
『たんじょうび』作・絵/ハンス・フィッシャー 訳/大塚 勇三(福音館書店)
誕生日のおばあちゃんのために一緒に住んでいる動物たちが、一生懸命準備をするお話です。
ハンス・フィッシャーさんの描く絵も本当に素敵です!
互いに思いやる気持ちが見ている子どもたちの心も穏やかにしてくれることでしょう。
おじいちゃんおばあちゃんのために「なにか作りたい」と思うきっかけになるかも。
この『たんじょうび』の絵を見たら絵本好きな子どもは気付くかもしれません。
「あ!こねこのぴっちと一緒だ!」と。
年長さんくらいになると画風も覚えてしまうんですね。
『じいちゃんのステッキ』文/すとうあさえ 絵/アンヴィル奈宝子(福音館書店)
『じいちゃんのステッキ』は動物たちが出てくるお話です。
「こぎつねなっく」はじいちゃんの持つステッキに憧れて、ある日ステッキを持って森へ出かけます。
動物たちに出会う中で、ステッキはいろいろな役に立ちますが、なっくの思い描く「じいちゃんのステッキ」とは少し違うみたい・・・
子どもはおじいちゃんやおばあちゃんが持つものに興味を示したり、憧れたりします。
自分も触ってみたい、同じようにしてみたい
こんな子どもの気持ちが表れているような絵本です。
決して難しい内容ではありませんが、少し長めのお話を楽しめる子どもたちにおすすめです。
『おばあちゃんの小さかったとき』文/おちとよこ 絵/ながたはるみ(福音館書店)
『おばあちゃんの小さかったとき』 は、おばあちゃんが子どもだったころの遊びや食べ物、学校や暮らしの様子が描かれています。おばあちゃんと子どもたちの優しい会話でお話は進んでいきます。
なんといってもこの絵本の楽しみは、細やかにそして丁寧に描かれている絵です。
「わぁぼくもやってみたい!」「ねぇねぇ、おばあちゃんもこれしていたの?」
こんな会話が絵本を見ているおばあちゃんと子どもに生まれそうです。
この絵本をきっかけに、きっとおばあちゃんの小さかった時のお話を聞いてみたくなりますよ。
シリーズで『おじいちゃんの小さかったとき』 という絵本もあります。
『こんとあき』林明子先生の作品が好きという話
ここでちょっと小話。
私は『こんとあき』や『はじめてのおつかい』『きょうはなんのひ』などの絵本が小さいころから大好き!
みなさんご存知の通り、どれも林明子先生の作品です。
数年前に林明子先生の作品展に行ったことがあります。
原画があったり、グッズがあったり。もちろん絵本も!
作品展ではその作家さんの絵本の作り方や想いなどを知ることができ、自分の知識を深めることができます。
また、静かな空間にしっとりと浸れるので、気が付けば気持ちが穏やかになっていることも…
おすすめの休日の過ごし方です。
さいごに
子どもたちが目を輝かせながら絵本を見つめる姿を大切にしていきたいですよね。
私たち保育者は、絵本と子どもの架け橋になれたらいいなぁと思っています。
子どもたちにとって、素敵な敬老の日になりますように・・・
それではみなさん
さよならあんころもち またきなこ♪
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