みなさんこんにちは
「こっこ先生のあそびば」へようこそ!
保育園や幼稚園の新年行事でししまいが登場する園も少なくはないでしょう。ししまいの迫力を感じたり、中で人が動かしていることに興味を持ったりと、日本の伝統文化に触れるいい機会となります。
しかし残念なことに、「子どもを怖がらせるため」にししまいを登場させている園を経験したことがあります。
ししまいの由来や意味をしっかりと保育者が押さえておくことで、意義のある保育活動になります。
そこで、
子どもにししまいの由来をどう伝えようか?
行事でししまいについてどう声掛けしようか?
日常の保育でどう展開していこうか?
ししまいを製作する活動の導入はどうしよう?
と、悩んでいる先生方。この記事では、日常の保育や行事でししまいを取り入れる際の声掛けや活動展開の例をご紹介していきます。一緒に考えていきましょう!
園の行事でししまい登場
幅広い年齢の子どもが集まる行事では、どのように進めればよいのでしょうか?
ししまい登場までの雰囲気づくりや登場してからの声掛けのポイント、由来や意味の伝え方などを対話形式でお伝えします。
Cは子ども、Tは保育者です。
ししまい登場前
T「今日は素敵なお客様が来てくれていますよ。特別に先生が、ちょっとだけ先に、みんなに教えちゃいますね。ほら!(ししまいの絵を見せる)」
C「あ!ししまいだ!」
T「知っているお友達もいますね。そうです、これはししまいと言います。はじめは少しびっくりするかもしれないけれど、ししまいさんはみんなの中にある悪いものを退治してくれるので、安心してね!」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”senpai-speech.png” name=”先輩先生”]ししまい登場前に工夫したのね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]はい。低年齢の子どもも集まっている行事の場なので「怖さ」の印象だけが残ってしまわないように、事前に最低限の情報を伝えました。[/speech_bubble]
ししまい登場
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”senpai-speech.png” name=”先輩先生”]登場シーンでは子どもたちの反応やつぶやきを逃さないように見ておくことが大事よ![/speech_bubble]
C:わ~!こわい!
C:足が出てるよ!
C:足4つもあるね
C:口が大きいなぁ
C:うわ、◯◯ちゃん食べられたー!
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]このような子どもの言動を読み取っておき、その後の声掛けに活かします。[/speech_bubble]
ししまいの由来・意味の説明
T「ししまいさんどうもありがとう!みんな、見てみてどうだった?」
C「びっくり/こわい/足が見えてる/口でかまれた/etc.(感じたことを引き出す)」
T「そうだよね。少しびっくりしたけど、ししまいさんはみんなの中にある悪いものを退治してくれたんだよ。」
T「実はししまいは、昔の人が「おなかがすいたよ~」(飢餓)とか「病気になって苦しいよう」(疾病)といった悪いことが起きないように、お正月やお祭りの時に登場していたんですって。」
T「そういえば、◯◯ちゃん、ししまいさんに頭をがぶっとされていなかった?」
C「うん。」
T「痛かった?」
C「ううん。痛くはなかったよ!」
T「それはよかった!ししまいはこの大きなお口で(見せながら)、その人の中にある悪いものを食べてくれているんだって!」
T「だから、頭をがぶっとしてもらった◯◯ちゃんはラッキーなんだよ」
T「痛くなかったのは、本当にかんでいるのではなくて、優しくかむふりをしてくれていたみたい。ししまいさんって優しいんだね。」
T「獅子舞さんのこの布(服)の模様って素敵ね~。」
C「ぐるぐるうずまき?」
T「そう。ぐるぐるの渦巻き模様になっているね!実はこの模様も、子どもたちについている悪いものを追い払ってくれるんですって。」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”senpai-speech.png” name=”先輩先生”]子どもがししまいの足について疑問を持ったらこんな話を広げてみましょう。[/speech_bubble][speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]4本足の正体が分かった時、子どもたちの表情がいきいきとするはず![/speech_bubble]
T「他にもししまいさんの体で気になるところを見つけたお友達がいたね。」
C「足が見えてるよ!」「4つも!」
T「あら本当だ!これはどうなっているのかな?ちょっと、布をちら・・・(足元の布を少しめくる)」
C「あっ!!」
T「どうだった?」
C「中に2人いた!」
T「獅子舞は中に人が入って動かしているんだね。」
(地域によって人数が異なる場合があるので、調べてみてくださいね)
日常の保育でのししまい
ししまいは日常の保育でも楽しい教材となります。
大きな緑の布を用意しておくと、ししまいの中に入ってみたいと思う子どもはししまいごっこを始めるでしょう。段ボールを見付けて、ししまいの頭を作り出すかもしれません。子どもの遊びを想像するとこちらもわくわくした気持ちになりますね!
ここでは、ししまいごっこを楽しむ子どもの紹介を通して、ししまいの由来と意味をクラスでもう一度話し合います。ししまい製作の導入にもなりますよ。
ししまいの由来・意味をクラスで
T「さぁ、今日は・・・(ししまいの絵を見せる)」
C「あ!ししまいだ!」
T「そう!まえ新年会で、幼稚園に来ていたししまいです。」「あの後ししまいが大好きになった人もいたよね!」
C「ぼくたちは、ししまいごっこをして遊んでいるよ!」
T「へぇ!みんなはししまいごっこを見たことがある?」
C「あるよ!」「ないよ!」
T「先生はちゃんと見たことはないんだぁ。」
C「じゃあ見せてあげるよ」
T「わぁ、楽しみ!どんな風にししまいになるんだろうね!」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]ここで、実際に子どもたちのししまいごっこをクラス全体に紹介します。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”senpai-speech.png” name=”先輩先生”]他の子どもたちにも遊びを広げる意図があるのね![/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]はい。ごっこ遊びをしている子どもだけでなく、あまり興味を持っていない子どもたちにとってもししまいを身近に感じてほしいと考えました。[/speech_bubble]
(ごっこ遊びをしている子どもが手でししまいの口を表現している)
T「わ~大きなお口!」
C「がぶっ!(友達の頭をかむ仕種)」
T「ししまいさんは悪いものを食べてくれているんだったね。だからこんなに大きなお口がいるのかな。」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]ここで、口が大きいことに注目をさせます。[/speech_bubble]
T「あっ見てみて!布から・・・!」
C「足が出てる~」
T「中には何人入っているのかなぁ。足は4つ見えるね。」
C「4だから・・・2人じゃない?」
T「じゃぁちょっとししまいさん、中を見せてね。ちらり。」
C「やっぱりー!」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]ここで、布から足が出ているという特徴に注目させます。[/speech_bubble]
T「この布の模様も描いたのね。」
C「そう!ぐるぐる渦巻き模様を描いたよ。」
T「この模様も子どもたちについている悪いものを追い払ってくれるんだったね。」
T「ししまいごっこを見せてくれてどうもありがとう!本物のししまいみたいでとてもかっこよかったよ!」
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]ここで、布の渦巻き模様に注目させます。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”senpai-speech.png” name=”先輩先生”]ししまいの特徴を取り上げることで、製作活動へとつながりやすくなるわね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]はい。子どもがししまいのイメージをもって製作を楽しめるようにしました![/speech_bubble]
ししまいが登場しない園の場合
ここまでの流れは、新年の行事でししまいが登場する場合を想定していましたが、ししまいが登場しない園もありますよね。
その場合は自作のパネルシアターでししまいを紹介することをおすすめします。
自作のパネルシアターは、大人数が集まる行事に合わせた大きいサイズやクラスで見せるための小さめサイズなど、サイズを自由に作り変えることができます。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”kokko.png” name=”こっこ先生”]でもパネルシアターを作るのってかなり手間がかかりますよね。なかなかその時間は・・・[/speech_bubble]
パネルシアターをイチから作るのは手間がかかるので、敬遠していたのですが、イラストをコピーできるPペーパー を見つけてからは、手軽に保育の教材を作れるようになりました。 必要な絵柄はイラストダウンロードサイト【イラストAC】で探して使っています。保育で使えそうなイラストが無料でダウンロードできるのはありがたいですね!
ししまい製作へつなげよう
これらのように、子どもたちがししまいに興味をもつきっかけができたら、ぜひししまいを作ってみましょう!
ししまいの大きな口や足の数、布の模様などイメージをしっかりともてると、製作がよりいっそう楽しい活動となるでしょう。
日本の伝統文化に触れるよい機会です。素敵な保育になりますように・・・!
それではみなさん
さよならあんころもち
またきなこ♪
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